国内・海外の光造形3Dプリントサービスを紹介します!

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2022年6月15日

国内・海外の光造形プリントサービスをご紹介します!

光造形(SLA)方式の3Dプリンターは、液体の光硬化性樹脂に紫外線を照射して層ごとに硬化させ、精密な造形物を作り上げる技術です。この方式は、滑らかな表面仕上げや高い寸法精度が求められる試作品の製作に適しています。
しかし、光造形3Dプリンターを自社で導入する場合、初期投資や維持管理、操作の習熟などの課題が伴います。また、造形後の洗浄や二次硬化、サポート材の除去などの後処理も必要で、これらの工程には手間と時間がかかります。自宅で作業する場合は、特に廃液なども管理も必要になってきて、かなり大変です。
このような背景から、外部の光造形プリントサービスを利用することで、これらの課題を解決し、迅速かつ高品質な試作品の製作が可能となります。これらのサービスでは、データをアップロードするだけで見積もりが取得でき、短納期での納品にも対応しています。特に、「とりあえず試作して試してみたい」、「このレジンを試しに造形してみたい」、「精度検証を行いたい」といった多様なニーズに柔軟に応えてくれます。
以下に、国内外の光造形プリントサービスをいくつかご紹介します。各社の特徴やサービス内容を比較検討し、目的に合ったサービスを選ぶことで、試作プロセスの効率化と品質向上が期待できます。

【国内】

国内で光造形プリントサービスを提供しているサービスが計5つあります。一つずつご紹介します。

光造形プリントサービス①:JMC


JMC 光造形プリントサービス
株式会社JMCが提供している光造形プリントサービスになります。造形機は「ATOMm8000」などを用いているようです。材料はエポキシベースを用いており、最大造形サイズは「800 × 600 × 400mm」と大型の試作を作ることもできます。さらに、納期は最短と翌日発送というところが非常に良いところなのではないでしょうか。見積もりはお問い合わせフォームより確認できるとのことです。
その他情報は以下に示す通りです。

光造形プリントサービス②:Bfull

光造形3Dプリンターによる高精度な出力サービスを提供しており、最短3日でのスピード出荷が可能なようです。日本最大級、大型光造形3Dプリンターを22台(うち800㎜角3Dプリンター×18台)を保有し、国内屈指の生産力で短納期と低価格を実現します。リピート率は驚異の95%以上!3Dプリンターの得意とする一点モノはもちろん、数百単位の小ロット量産にも対応。『低価格でありながら・質の高い試作品を・早く作りたいお客様』に最適です。ガレージキットのサービスなども行っているようです。



光造形プリントサービス③:kinko's 3Dプリント出力サービス

KOMICA MINOLTAが提供している3Dプリンティングサービスです。材料は5種類ほどであり、材料に応じて価格や納期・積層ピッチが変わっているようです。最大で「600×600×500mm」の造形物まで作ることができるなど大型の造形ができること、最短2営業日に納期を設定している材料もあるようです。価格は体積に応じて課金される形式のようで、詳しくはこちらよりご確認ください。
kinko's 3Dプリント出力サービス

光造形プリントサービス④:立体造形工房 樹脂出力サービス

立体造形工房 樹脂出力サービス
株式会社 立体造形工房が提供する光造形プリントサービスです。Form3Lを使って造形しており、最大造形領域は「335×200×300mm」のようです。価格は、納期や材料、データ容量・データ修正コストなどをトータルして計算されるようです。詳しくはこちらをご確認ください。最短で2営業日から納期を設定しているようです。

光造形プリントサービス⑤:DMM

DMM 3Dプリントサービス
合同会社DMM.comが提供している3Dプリンティングサービスです。造形可能サイズは「縦60mm×横120mm×奥行120mm、Partpro100xp 縦28mm×横45mm×奥行80mm」であり、材料は「Form3 グレー / 半透明グレー」と「XYZDLP グレー/オレンジ」を対応しているようです。発送の目安は9~15日とやや時間がかかります。お問い合わせ・見積もりはフォームから依頼するようです。

光造形プリントサービス⑥:アリエル

3Dデータの作成から光造形による出力、後加工・二次加工まで一貫して対応しています。高精度な造形と迅速な納品を強みとし、試作から量産まで幅広くサポートしています。

光造形プリントサービス⑦:ソライズ

最近上場した大手企業です。自社で多くの光造形をはじめとして、SLSやMJFなど様々な3Dプリンタ−を。光造形による高精度な3Dプリントサービスを提供し、寸法精度に優れ、注型や鋳造のマスターとしても利用されています。多様な材料と仕上げオプションを備え、試作から製品化まで対応可能です。

【海外】光造形プリントサービス

国内のサービスはお問い合わせフォームからお見積り依頼する形式が多いですが、海外ではデータをインポートするだけで見積もりがサクッと出てくれるサービスなどもあり、非常にユーザービリティの高いものが多いです。今回はそんな海外光造形プリントサービスを5社ご紹介します。

(海外)光造形プリントサービス①:HUBS

HUBS 造形サービス
HUBSが提供する造形サービスです。データをインポートすればインターネットですぐに見積りを確認することができます。リードタイムは最短4営業日からのようですが、海外から輸送もあるので要注意です。使用できるレジンは非常にたくさん種類があり「Formlabs Standard Resin、Grey Pro Resin、Grey Pro Resin、Durable resin、High Temp resin、Flexible resin、Tough resin、Rigid resin 4K」や産業用プリンターで使用する「Accura ClearVue、Accura Xtreme White 200、Accura 25」が使えるようです。
最大造形領域はFormlabsシリーズで「145 × 145 × 175 mm」、産業用材料では「500 x 500 x 500 mm」のようです。詳しくはこちらをご確認ください。

(海外)光造形プリントサービス②:Xometry

Xometry 造形サービス
ドイツのXometry社が提供する3D造形サービスです。こちらも同様にネットで見積もりができるサイトです。リードタイムは3~5営業日が最短となっているようです。海外ですので、プラスして輸送の時間を考慮する必要がありますが。
光造形(SLA)サービスでは、材料は6種類から選ぶことができるようで、「ABS-like, Black (SL 7820)、Heat resistant PC-like、Silica Glass、Transparent ABS-like、Xtreme Grey, ABS like、Xtreme White 200, ABS like」からのようです。
その他SLSやFDMの造形サービスもやっており、扱っている材料は70種類以上とのことです。

(海外)光造形プリントサービス③:Shapeways

アメリカの企業で、オンラインでの3Dプリントサービスを提供し、光造形を含む多様な材料と仕上げオプションを選択できます。ユーザーはデザインをアップロードするだけで、材料を選択肢すると、見積もりが表示されすぐに製品の制作依頼を行うことができます。
2024年12月だと、光造形で使用可能な材料はAccura® 60 – 3D Printing MaterialAccura® Xtreme™ 200 – 3D Printing Material Learn Moreとのことです。その他、金属やSLSやMJFなども材料も依頼ができるようです。

【まとめ】国内・海外の光造形プリントサービス

国内外の光造形(SLA)プリントサービスをご紹介しました。国内サービスは短納期での対応が可能で、迅速な試作や製品化に適しています。一方、海外サービスは多様な材料や仕上げオプション、オンライン見積もり機能など、選択肢の幅広さが魅力です。
時間に余裕がある場合や特定の材料・仕上げを試したい場合は、海外サービスの利用も検討する価値があります。コストや納期、品質を総合的に考慮し、最適なサービスを選択することが重要です。本記事が、皆様のプロジェクトに適した光造形プリントサービス選びの一助となれば幸いです。