今話題の3Dプリンター住宅とは?チャレンジしているスタートアップや実例も紹介!!
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2023年2月11日
目次
今話題の3Dプリンター住宅について、なぜ今ホットなのか?について解説していきたいと思います。3Dプリンター住宅について興味がある筆者が調べた情報をまとめてみました。
Researchers at Virginia Tech University are 3D printing and studying a 1,400-square-foot home (Source: Virginia Tech)
そもそも3Dプリンターとは?
3Dプリンターは、3次元的に物を印刷することができる機械のことです。3Dプリンター技術自体は、1980年代に発展しましたが、近年さらに開発が進み様々な分野で活用されてきています。3Dプリンターは3Dデータによって作られた設計図(stlやCADファイルなど)を元に、オブジェクトをレイヤーごとに積み重ねて作り上げます。現在、様々な素材を使って印刷することができ、プラスチック、メタル、石膏などがあります。3Dプリンターは、個人から企業まで幅広いユーザーに利用されており、プロトタイピング、製品開発、アーティストの作品などに利用されています。
3Dプリンターで作られた自転車「Superstrata」
3Dプリンターの活用分野は、さらに広がりを見せ、住宅建築の分野でも活用が進んでいます。3Dプリンターを使った住宅建築は、効率的で詳細な設計ができ、コスト削減や環境に配慮することができるというメリットがあります。今後、このような技術が普及していくことが期待されています。
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3Dプリンターを使って住宅を建てるメリットとは?
3Dプリンターを使った住宅建築のメリットについてより詳しく考えて見たいと思います。
3Dプリンターを使って住宅を建てることには多くのメリットがあります。まず、印刷速度が速いこと=つまり建築工期を圧倒的に短くできることです。3Dプリンターを使って家を建てることで、従来の建設方法と比べてかなり短い時間で完成することができます。これは労働力や資源の節約につながります。また、3Dプリンターを使った建築技術は、より高い精度を実現することができます。これにより、よりスムーズで効率的な建設ができます。
さらに、3Dプリンターを使って建てられる住宅は、独自でオリジナリティのあるデザインの住宅を建てることができます。ユーザーは自分が想像した建築物をリアルに落とし込むことができます。また、この技術は環境に優しいことも特長です。効率的な建築を行うことにより、廃棄物や排出ガスが減り、地球環境にも貢献します。
これらが3Dプリンターを使って住宅を建てるメリットになります。ニュースなどでも少しずつこの技術は今後も進化し、より多くのユーザーに利用されることが期待されます。
3Dプリンターを使った住宅建築のスタートアップ
では、3Dプリンターを使った住宅の実例を実際に紹介していきます。3DプリンターX建築分野の海外スタートアップを中心に7社紹介していきます。
今回紹介する会社は以下になります。
Winsun
Winsunは、中国に本社を置く3Dプリンターを活用した建設企業です。3Dプリンターを使って、住宅、オフィス、公共建物などの様々な建物を迅速かつ効率的に建設することを目指してる会社です。コーポレートサイトは中国語で翻訳しないと読めないですが、写真を見る限りかなり色々やっていそうです。高速道路沿いの防音壁や住宅など色々な分野で建築をしているようです。最近では、日本の3Dプリンター住宅メーカーであるセレンディクスと資本業務提携をしているようで(日本初の3Dプリンター住宅メーカー セレンディクス 3D建築業界最大手WINSUN社より一般住宅100m2出力可能な 国内最大3Dプリンターを導入)、日本でも近いうちWinsunの技術を見ることができるようになるかも知れません。
参考:Winsun
Apis Cor
Apis Corは、ロシアに本社を置く3Dプリンターを活用した建設会社です。3Dプリンターを使って、住宅や公共建物などの建設を行っています。3Dプリンターだけでなく、輸送や材料運搬などのソリューションも含めて開発している会社のようです。
ICON
ICONはアメリカの建設技術会社であり、3Dプリントを使った住宅や他の構造物の建設に特化しています。ICON社は従来の建設方法に対するより効率的で持続可能でお手頃な解決策を提供することで、建設業界を革命化することを目指しています。ICONは独自の3Dプリンタ技術を開発しており、同社は従来の方法では長い時間がかかる建設作業を短期間で行えます。また、ICONの住宅は高効率で環境に優しい設計が施されており、カーボンニュートラル実現に向け、CO2削減する助けになります。同社の革新的な建設アプローチが広く認識されており、今後も成長と拡大が期待されています。モックの住宅はかなりクオリティ高そうです。
参考:ICON
Branch Technology
Branch Technologyはアメリカのテクノロジー企業です。この会社は3Dプリント技術を採用した建築業界向けのサービスを提供しています。Branch Technologyは、3Dプリンターを使った複雑な形状の住宅やビルなどを建てる技術を持っており、それらを活用した壁などの住宅設備販売などもおこなっているようです。。また、建築物の設計 > 施工 > 評価までの一連サポートソリューションを提供することで、建設業界に対して技術革新をもたらしています。
参考:Branch Technology
Contour Crafting Corporation
Contour Crafting Corporationはアメリカのテクノロジー企業です。この会社は3Dプリント技術を採用した建築業界向けのサービスを提供しています。Contour Crafting Corporationは、3Dプリンターを使って住宅やビルなどを迅速かつ効率的に建てることができます。また、この会社は、建築産業をリードする技術を持ち、建築業界に対して革新的なアプローチを提供しています。この会社は、安全で効率的な建築手法を提供することで、建設業界に対して革新的な貢献をもたらしています。
XtreeE
XtreeEは、フランスに本拠を置く住宅建築の会社です。彼らは、3Dプリンターを使って快適かつ効率的な住宅を構築することを目的としています。彼らの製品は、省エネ、環境保護、持続可能性などの重要な要件を満たしています。また、住宅を迅速に建てることで、住宅不足の問題に対処することも目的としています。XtreeEは、技術的な革新と顧客の要求を反映し、革新的な住宅ソリューションを提供することを重視しています。
参考:XtreeE
セレンディクス
セレンディクスは2018年に創業した日本発の3Dプリンターで住宅を作るスタートアップです。2022年に愛知県小牧市において国内初となる3Dプリンター住宅であるserendix10m2モデル(Sphere)の施工を24時間以内に完成させるなど、さまざまな新しい挑戦に取り組んでいるスタートアップです。さらに、開発中のフジツボモデルでは、1LDKを500万円で施工するような新しい取り組みを現在進めているようです。車と同じ感覚で家が買える世界を目指しているようで、筆者もとても気になっています。
参考:セレンディクス
今後の3Dプリンター住宅について
今後、3Dプリンターを使った住宅はますます普及していくと考えられています。これは、3Dプリンターの技術が進化し、より高品質な住宅を建てることができるようになったことが一因です。さらに、3Dプリンターを使った住宅は短時間で建てることができるという特長があり、建築業界に大きなインパクトを与えることが予想されています。
また、3Dプリンターを使った住宅は、環境にも非常に優しいという特長があり、将来的にはより環境に優しい住宅が求められることが予想されています。このため、3Dプリンターを使った住宅は将来的にはますます重要な役割を果たすことが期待されています。
今後、3Dプリンターを使った住宅は、建築業界に大きな変革をもたらすことが期待されています。そして、より高品質で環境に優しい住宅を提供することができるようになることで、人々の生活の質が向上することが期待されています。