LCD(光造形)3Dプリンターおすすめ一覧

LCDは日本語で「液晶パネル」と呼ばれ、多くの方に馴染みがあるのではないでしょうか。LCD方式はUVライトを照射し、LCDパネルを通してUV硬化レジンに光を当てる方式です。光を当てたい部分だけLCDパネル側で光を通すように制御することで、造形物を作製することができます。 LCD方式は、DLP方式同様に光を面で照射するため、造形時間を比較的早くすることができます。造形物の精度はLCDパネルの解像度に依存し、一般的なホビー用光造形プリンターでは、4Kのパネルを使われています。しかし、8Kパネルを搭載する機械なども販売されてきており、 日々精度向上が図られています。構造がシンプルであり、LCDパネルは安価であることから、LCD方式の3Dプリンターはかなりお手頃価格で購入することができます。

光造形(LCD)の流れとは

LCDパネルを用いた光造形機を使って、造形物を作る際にどんな 工程が必要なのでしょうか。工程は大きく6つの工程に分かれます。

  1. 必要なデータをスライサーソフトを使って準備する
  2. レジンを充填し造形を開始する
  3. 造形終了したら、ビルドプレートから造形物を取り出す
  4. IPA(イソプロピルアルコール)などを用いて残留しているレジンを取り除く
  5. 二次露光を行い、材料特性を安定化させる
  6. サポートを取り外し、バリなどがあれば研磨を行い、完成

光造形(LCD)の特徴(メリット・デメリット)

光造形(LCD)方式の特徴(メリットとデメリット)をご紹介します。

メリット①:高精度である

光造形(LCD)方式により造形される造形物の精度は、LCDパネルのピクセル数に依存しますが、その精度は一般に50〜100μm程度であります。そのため、光造形(LCD)方式では非常に高精度に造形物をつくることができます。 LCDパネルは安価で高精度のものがたくさん発売されており、LCD方式による光造形機も安価で高精度な造形精度を有します。一般的には、4K(4096×2160)解像度のLCDパネルが用いられていますが、最近では5.5Kや8K解像度のLCDパネルも用いられ、その精度はさらに向上しています。 LCD方式による光造形機で出来上がった造形物は、サポート材のバリを取ることこそあるものの、サポート材がついてない部分は非常に滑らかな出来上がりになります。

メリット②:反りにくい

光造形は熱エネルギーによる硬化方式ではないため、一般的に造形物の反りがでにくいです。SLSやFDM方式は材料に熱がかかるため、冷却を適切に行う必要がありますが、光造形方式では 不要です。

デメリット①:造形後の後処理が必要

光造形方式では、造形物を取り出した後の工程で有機溶剤(IPA*イソプロピルアルコールなど)を用いた洗浄プロセスや、完全に材料を硬化させ、材料の本来の特性を出すために2次露光といったプロセスが必要になります。薬品(有機溶剤)を使う必要があり、専用の設備を準備する必要があります。 大規模に行う場合は、廃液や作業者の健康管理、溶剤の安全管理なども必要となります。

デメリット②:造形物の強度

光造形(LCD)方式ででき上がった造形物は、SLSやFDMで作られたものよりも強度(引張強さや曲げ強さ)が劣ります。フィギュアなど荷重がかからないものを作るには適していますが、工業製品を作る際は設計時に十分な検討が必要になります。

LCD方式による光造形3Dプリンター一覧

LCDパネルを用いた光造形プリンターにどんな種類があるか以下に示します。